有料の壁も取り払え、楽しく効果的なダイエットへ(ヘルスケアアプリ雑談会)

レビュアー:渡辺 武友 HALアプリレビュー | 2016年6月8日 水曜日
                        
前回からはじまりました『栄養のプロが勧めるオンラインサービス活用法とは?(ヘルスケアアプリ雑談会)』。前回は株式会社エムティーアイの管理栄養士 川端史紀さん(以下、敬称略)、株式会社ウィットの管理栄養士 道江美貴子さん(以下、敬称略)の経歴、オンラインサービスを使うタイミング、コミュニケーションが継続につながることなどのお話しが聞けました。 今回は、無料から“有料サービス”に移行するポイントを伺いました。 (ヒアリング&撮影:渡辺武友) attendee03

出席者/左から、川端さん、道江さん

有料サービスに踏み出すポイントは必ずある

渡辺 「ユーザーとしては有料サービスについて『有料なりの価値がきっとあるんだろうな?』と思っていても、有料サービスに踏み切れないところがあるじゃないですか!? 有料に申し込んだ人達は、どう有料の壁を乗り越えたのでしょうか?」 川端 「カウンセリング時に、人生の価値観についてもお聞きするのですが、その価値観にあったアプローチができていないと有料の壁は越えられないと思います。例えば、人生の価値観がお金だった場合、『この取り組みは、実は将来の節約になるんですよ』というようなことを会話の中に混ぜる必要があります。今これからあなたが取り組もうとしていることは、あなたの価値観と精通するのだということが伝われないと、ハードルは越えられないのではないかと思います。 また、相互の信頼も大事ですね。有料の壁を乗り越えることに、リアルの人の介入は必要だと思います」 渡辺 「ハードルを越えるポイントが幾つかあると?」 川端 「“ポイント”はいくつかあります。弊社の場合は、それが人の介入であったり、個々人の希望に沿ったアプローチであるということです」 渡辺 「あすけんの場合はどうでしょうか?」 道江 「あすけんの方が価格的に安いというのはありますが、やはり有料のハードルはあります。 ダイエットって続けるのが難しいじゃないですか?ユーザーは基本的に、あすけんをやりはじめたときが一番モチベーションは高いときだと思います。『やるぞ!』っていう気持ちになっているときです。ですので、無料で1ヶ月使ってもらってから有料サービスを勧められるより、最初の『やるぞ!』との気持ちのときに、こういうサービスがありますよってお伝えした方が良いだろうと思っています。鉄は熱いうちに打てですね。あすけんは最初の7日間有料サービスが無料で使えるようにしています。機能は使わないとわからない。というのが基本的な考えです。便利さも体感してみないと便利だとはわからないですので、言葉でこんな機能がありますよっていわれても、見たことの無いアドバイスに、なかなかお金を払ってくれないと思います。 8日目から有料機能が使えなくって、不便だと思った方が課金してくれます。ちょっと不便だけど、無料でよいという人もいますが、それはそれでよ良いと思っています」 渡辺 「無料で使っている方が、途中でやっぱり有料にする切っ掛けはあるのですか?」 道江 「そういう方もいるのですが、やはり有料サービスを申し込むのは、初期段階で決める方が多いと思います。有料サービスを体験して、そのサービスを気に入ったかどうかだと思います。 そこはMTIさんのCARADA MY栄養コーチと一緒だと思います。これは信頼出来るサービスだとか、このまま課金しても良いと思ってくれる人が課金してくれているのだと思いますね」 渡辺 「アプリの機能で、何か引っかかる箇所ってあるのですか?迷ってしまったり、なかなか進めなくなってしまうようなポイントが」 道江 「ありますね!使い勝手などで」 川端 「CARADA MY栄養コーチもそうですね。常に課題を見つけては改修しています」 道江 「管理栄養士さんが、使い方とかもサポートしているのですか?」 川端 「やりとりの中でサポートさせていただくこともあります。リアルがあるからこそできることですね。法人向けに提供するときは、説明会をするなどして、きちんとサポートさせていただく体制も取っています。そこまでやらないと、始めることが大きな課題になってしまいますので」 渡辺 「何が課題なのですか?」 川端 「今はUIを見直すなどして、使い勝手を改善しています。ITリテラシーが高い人はそう多くいないと思うので、如何にスムーズに使いこなしてもらえるか、というのは私たちの課題だと思います」 渡辺 「御社は『これ行こう!』となったら、どんどん進めるところがありますよね?とにかくスタートして、やりながら変えていくような」 川端 「そうですね。スピード感はあると思います。ヘルスケア分野においては、変化の激しい領域だと思うので、綿密に計画を立てて…ということだけではなく、やりながら変えていくというのが良いのではないかと思う面もあります」 渡辺 「あすけんの場合はどうなのですか?」 道江 「そうですね。個人利用のユーザーさんは、メールが届かないなどはありますが、使い方に関する問い合わせはそれほど多くはないです。法人利用の場合は個人に比べれば多いです。普段、アプリを使ったことがない人がアプリを使うので。そもそもダウンロードするのにパスワードが必要だけどわからない。IDでメールアドレスを打ち間違えてログイン出来ないなど、そのような基本的なハードルがありますね」 渡辺 「あすけんは、すでに長くやってきたので完成されているってことでしょうか?」 道江 「そうですね。提供者側が思うほど、お客さんはアプリ画面の文字もボタンも見ていないんですよね。『ここにこんなに大きく書いてあるのに、何で?』ってことが起きます。ですので、ユーザーが使う目線になって、どの位置にボタンがあると良いのかを検討していきます。 本当はデザイン的には、この方がスマートなのにと思うことはありますが、わかりやすさ、使いやすさ優先です。もう全然スマートじゃないですよ(笑)」 渡辺 「あすけんはアドバイスがポイントじゃないですか!?そうなると文字量も増えますよね?」 道江 「多いですね!文字文字してるって、良くいわれますよ(笑)」 渡辺 「でも、文字が重要じゃないですか!?どうやって乗り越えているのですか?」 道江 「なるべくアイコン化できるものは変えていこうとしています。それでも、アイコンだけだと理解されないことが多いんですね。 例えばIKEAのマニュアルなどを見ていると、文字が一切ないじゃないですか?やろうと思えばできるのだなと思います。ですので、アイコンで代用していけるところはそうしようと努力しています。 アドバイスは仕方ないです(笑)無駄な文字を出来るだけ省いていますが、しっかり読んでもらうことにしています」  

オンラインは、喋りベタこそコミュニケーションしやすい場

talking02渡辺 「リアルでの指導のときと比べて、オンラインならではの成功者のパターンはあるのですか?こういう人なら向いている。こうなっていくと、よりオンラインに向いているなどあるのでしょうか?」 川端 「私たちのサービスの場合は、コミュニケーションを大事にしているので、日々栄養士にサポートしてもらうことや、専属栄養士を雇っているような感覚が嫌でない人は成功しやすいと思います」 道江 「自分のことを色々と聞いて欲しい人ですよね!?」 川端 「そうですね。何か教えるときにも、会話の中でクイズのように教えたりもするので、本当にお話好き、LINE大好きな方は馴染みやすいですね」 渡辺 「実は色々相談したいことがある人の方が良い?」 川端 「そうだと思います。もちろん最初は自分と十分向き合えていない、頑張れるか不安と思っている人もいるのですが、日々栄養士がオンライン上でサポートしてくれるので、少しずつ自信や知識がついてくると思います。そうすれば、自分の食事や健康に対する興味も沸いてくるので、聞きたいことが自然と増えてきます。ダイエットの失敗経験がある人、食生活の改善がなかなか続かない人にはとても向いていると思います」 渡辺 「自分の話しをちゃんと聞いてくれるか心配しているユーザーからすると、思った以上に話しを聞いてくれると思っても良いですか?」 川端 「そう思ってもらって良いです! 続ける、習慣化するためのアプローチが軸なので、“どんな自分になりたいのか”“課題となっていることは何か”という声にも耳を傾けながら、寄り添ってサポートさせていただいています」 渡辺 「話は好きなんだけど、行動はあまりしてくれない人もいますよね?」 道江 「調子よい感じの人ですね(笑)」 川端 「いますね。こちらが甘やかし過ぎなのかもしれません(笑) チャットだと、栄養士側が気を使っていいたいことがいえなくなってしまう場合もあるので、やはり信頼関係をきちんと築いたうえで、褒めるばかりではなく、怒ったり拗ねたり、アプローチをいろいろ工夫します」 渡辺 「そうなんですね。道江さん、どうですか?オンラインならではの成功パターンについては」 道江 「あすけんのユーザーは几帳面な方が多いです。少しでもモチベーションがあれば手軽にできるので、自己管理できる人なら成功できると思います。 でもリアルより良いとこってどこかな?」 川端 「説得力があるんじゃないかって思いますね。あすけんは、栄養価も数値で出てくるし、グラフ化されているし、ロジカルな説得力を感じます」 道江 「正直リアル指導の方が続くと思いますが、あすけんではオンラインでもリアルに近づけるように工夫をしています。金銭面でリアル指導までは受けられない人でも、手軽にチャレンジできるのがオンラインの良いところですね」 渡辺 「コミュニティーに参加すると継続率が高まると以前伺いました。その辺はどうですか?」 道江「あすけんには日記機能があって、日記を書いている人の方が、ダイエットの成功率が高いのです。川端さんがいっていることと近いと思うのですが、やはりコミュニケーションが上手な人の方が、活発に日記を使って、色んな人と友達になって長く続いています。それは共通していると思います」 渡辺 「あすけんの場合、CARADA MY栄養コーチとは違って、ユーザー同士のコミュニケーションですよね?それって、運営側から仕掛けるのって難しいじゃないですか!?どうやってうまくコミュニケーションにつなげているのですか?」 道江 「ユーザーインタビューを頻繁にやっています。日記を使っている人に来てもらい、どうやって友達を作ったのか?どんな人にイイネって押したくなるの?などを聞いています。そういうことの積み重ねで見えてくることがあります。 例えば40代の人は50代でも30代でも気にしないけど、10代の方は、5歳上でもすごく年上だと感じることがあるじゃないですか!?そのようなことも参考に、対象者のタイムラインに流れてくる日記のアルゴリズムを変えて表示したりしていますね。興味を持ってもらえる人だけを流すなど、オススメ欄は人によって変えています」 渡辺 「CARADA MY栄養コーチとはやり方は違えど、コミュニケーションはオンラインで続ける上で大きな要素なのでしょうか?」 川端 「人が寄り添っていることが、リアルでもオンラインでも必要なことだと思うので、その方法の一つとしてコミュニケーションは大事だと思います」 道江 「他にも、自己完結できる人だったらオンラインで大丈夫ですね」 渡辺 「せっかくお金払っているからには成功したいじゃないですか!?ユーザー視点で失敗しないようにするには、自分からもどんどんコミュニケーションを取っていくことは重要なのですね?」 道江 「そうですね、良いと思います。リアルの場ではいつもは引っ込み思案の人も、オンラインなのだからチャレンジできると思います」 川端 「普段は全然喋らないけど、メールだと話せる人、たくさんいますよ」 道江 「せっかく使うなら、積極的にコミュニケーションした方が成果は出やすいのかなと思いますね」 川端 「積極的にコミュニケーションを取った方が、生活改善の成功率は高い傾向があります。それに、目に見えて分かる成果だけでなく、もっと主観的な、数字には表されにくいものの変化も感じやすくなると思います」 渡辺 「例えばちょっとぽっちゃりな人が、ちゃんと痩せたいと思った場合、どれ位の期間サポートを受けるのが良いですか?」 道江 「私は3ヶ月といいますね。長いっていわれますけど(笑)」 川端 「普通、短期間でやることを栄養士は推奨しないです。ただ、本人が…」 道江 「そうそう!」 渡辺 「その場合はどうしますか?」 川端 「目標達成に向けて一緒に取り組んでいきます。ただ、やり方として正しくないこと、リスクを補うための何かが必要だってことをお伝えします。好ましくない減量方法によって何か別の障害が生じてしまうリスクを回避するためにサポートするのも、栄養士としての力を発揮する一つの場だと思っています」  

『歩く』はお年寄りが選ぶ運動?

渡辺 「ユーザーに対して、もっとモバイルってこういう風に使えば良いのにっと思うことありますか?」 道江 「女性、特に40代位の方に意外と多のですが、アプリはあすけんしか入れてないです。みたいな人がいらっしゃるんですよ。あとは電話とメールだけとか」 渡辺 「す、凄いですね…」 道江 「私達が染まってしまっているだけで、世間一般だと、まだガラケーも多いし、それ程リテラシーが高くないっていうのが現実だと思います。女性に関しては特にそうです。もったいないって思います。もっと色々楽しめばいいのにと」 川端 「モバイルは、年齢とか性別で対象が限られてしまう部分もあるとは思います。やっぱり、20代や30代の若い世代や、ITに普段から触れている人が使いこなしているイメージがあります」 渡辺 「なるほど。例えば運動のアドバイスをするとき、モバイルならこの辺使った方が良いと勧めることはありますか?」 道江 「それはもう自動連携(※)ですね。それは絶対使った方が良いですよね。手入力よりはるかに楽ですから。ウェアラブルを買える人にはそちらも勧めます。やはりスマホはずっと持っていられないですし」 (※自動連携:端末内の他のアプリデータを取り込むこと。iOSのHealthアプリを使って歩数データをダイエットアプリに取り込むなど) 渡辺 「女性ってウェアラブルって着けたくないんじゃないですか?」 道江 「そういう物があること自体を知らないですよね!?」 川端 「男性の方がそういう新しい物好きじゃないですか。女性は嫌いとかそういうことじゃなくて、興味をまだ持っていないのだと思います」 道江 「そんな感じがしますね」 渡辺 「運動のためにまず歩きましょう。といわれると、なんとなくのイメージなのですが、歩いて運動なんて、おじさん達や高齢者がやることと思われることはないですか?」 川端 「運動って一言でいっても、幅広いですよね?健康維持のための運動、筋肉を付けるための運動、病気を予防するための運動とでは違いますよね。 ダイエットが目的であれば、歩数を増やしたり、家事の量を増やすなど、を提示してあげるのはとても良い方法だと思います。ただ大事なのは中強度の運動ですけどね。 『まず歩くことから始めましょう』というのは、人によっては大事なファーストステップなので、年齢は関係なく提案しますよ、私は」 道江 「あすけんユーザーも、やはりウォーキングをしている方が多いです。歩数を見て、ちょっとお気に入りの店まで歩いてみようとか。 意外と年齢に関わらず歩いてる感じがしますね。逆に走る方がハードルは高いみたいですね。『走るなんて、絶対ムリムリ!』みたいな(笑)」 川端 「確かに、選ばないですよね」 道江 「逆に男性はまず走ることから始める方が多いですよね。あすけんは食事アプリですが、あすけんを使ってダイエットに成功した男性ユーザーに話しを聞くと、まず、ちょっと太ったからジョギングしてみようかなって、走り出してからあすけんを使うようになっていることが多いですね」 渡辺 「男性は傾向として、食事より運動で痩せることを選びやすいですよね!?汗かけば体重が落ちるみたいなイメージもあって」 道江 「そうそう!だけど女性の場合は運動からって滅多に聞いたことがないですね」 川端 「聞かないですね。運動しないとならない、理由付けがないとしないのではないですかね!?女性が歩く以外で運動をはじめたいと思って選ぶのは、ストレッチやヨガが多いと思いますね」 道江 「女性そういうの好きですよね。歩くのは凄くベーシックなんだけど、皆に受け入れられる方法ですよね」    

今回も長めの雑談会にお付き合いいただきありがとうございます。 アプリで有料サービスの敷居も少しは下がったでしょうか?オンラインならではのコミュニケーションを楽しむのがポイントでした。ぜひ辛いダイエットから、楽しいダイエットにシフトしてください! 次回が最終回になります。ダイエットに関する勘違いや、プロの管理栄養士は普段どんなアプリを活用しているのかお聞きしていきます。 近々掲載予定です!

注)この雑談会は4月8日に行いました。その後あすけん、CARADA共に仕様やサービスに違いがある場合があります。 >> 栄養のプロによる雑談会 「栄養のプロが勧めるオンラインサービス活用法とは?」
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