【アプリ開発者インタビュー】ねんしょう!シリーズ│株式会社 Creative Freaks 代表取締役社長 菅田 峰晃氏

インタビュー | 2014年8月22日 金曜日

健康アプリで成功しているものがいくつかあります。どのように企画したのか?常に上位でいる秘訣は何か?皆さんが思う疑問をHealth App Lab研究員が伺ってきました。
最初は、ゲーミフィケーションアプリ「ねんしょう!」をシリーズ展開するCreative Freaksさんです!

インタビュアー:里見 将史、渡辺 武友│撮影:渡辺 武友
取材日:2014年7月29日

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株式会社 Creative Freaks│代表取締役社長 菅田 峰晃氏

モバイルゲームの企画・プロデューサー。元々は家庭用ゲームソフトのCGデザイナーだったが、社会人サークル Creative Freaks を創立しプランニングやプロデュース業を手掛け始め、現在に至る。ゲームの要素を取り入れたちょっと役立つ作品を生み出すべく活動中。代表作はねんしょう!シリーズ、釣りRPG ドラゴンフィッシャーズ等

┃ダイエット経験を基に、同人サークルの3人でアプリを開発

 

-『ねんしょう!』の開発経緯について教えてください。

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「もともとは同人サークルとしてオタク向けのツールをコミックマーケットで出展していました。

CGを作るツールなのですが、ニコニコ動画の広告を出したところ、それを見て会場に足を運んでくれる方が結講いて、反響もありました。

続けていこうと思っていたのですが、難度が高過ぎるがゆえに数が出るものじゃなく、費用対効果が悪いので、PCのアプリ開発はいったん止めることにしたんです。

次に何をやろうかと考え、iPhoneのアプリを作ることにしました。ずっとゲームを作ってきた人間なので、自分たちが得意なところでやったほうがいい。

ただ、あまり難しくしすぎるとメンテナンスすらおぼつかなくなるし、コストをかけて作っても売れなければ意味がない。

儲かる、儲からないではなく、活動が継続できなくなることを避けたいと考えました。後々、きちんとメンテナンスできるように、なるべく小さくシンプルに作りたかったんです。

-なぜダイエットアプリだったのですか?

「App Storeを見ていたとき、フルボイスでキャラクターと対話できるアドベンチャーゲーム的なものがないことに気づき、こういうアプリを作ったらウケるんじゃないかと。
そこで、知り合いのツテをたどり、ギャルゲーなどのイラストを描いている絵師さんを紹介してもらいました。

スタッフが揃ったので、App Storeのいろんなカテゴリを見ながら「どんなものを作ろう」と考え、ヘルスケアに目をつけたのです。ここには萌えが1個もないなって思ったんですよ。

せっかく作るのなら、ただのゲームじゃなく、実需とくっつけたい。

そこで、お腹の上にスマホを置いて腹筋をすると、キャラクターが数えてくれるアプリを作ることにしたんです。ただ、数をかぞえるだけじゃ、つまらないので、ノルマをこなすとストーリーを進められたり、ポイントを稼ぐような仕組みにしたんです。

世間的にも話題にして頂いて、広がりがあったおかげで今年7月、株式会社として新たなスタートを切ることになりました」

-ご自身はもともと運動の経験があったのですか?

「実は20代後半の頃、健康診断をすると医者に呼び出されるほど太っていたんです。『高脂血症で、このままだとアナタ死ぬよ』って言われて。ダイエットをしなければ、とは思うものの、運動の経験もないし、やる気が出ない。

でもある日鏡を見たら、尋常じゃないお腹の出方をしていることに改めて気づいたんです。さすがにこれはマズいと思い、もも上げやシャドーボクシングで汗をかくことから始めました。

カラダを動かすことに慣れたところで500mジョギングや腹筋もやるように。腹筋って最初は5回、10回でバテちゃうけれど、続けていくと100回できるようになりますよね。

それが楽しくて、やせるのではなく、筋肉をつけるのにハマりました。こうした経験があったからこそ『ねんしょう!』が生まれたんです」

┃男女それぞれのターゲットを具体化、限定していく

-ストーリーには力を入れているようですが、クリアまでの期間や運動量などはどういう風に決めましたか?

「こだわったのは【昔はカッコよかった】という主人公の設定です。リア充じゃなく、私みたいなインドア派な人は『昔はこんなにキラキラ輝いていたのに』とか『子どもの頃は楽しかったな』って思っている。

だから、昔は女の子にモテて、性格も明るかったけど、今はサエない主人公が幼なじみ3人と再会する、という設定にしました。

運動経験のない人が腹筋をすると、10回ぐらいでゼーゼー言いますよね。ちょっと慣れてくると30、40、50といける。200回というのは結講、がんばらないとできない。だから、達成させるために少しずつ階段を作っていったら、結果的に8ステージになったわけです」

-男性版と女性版でビジネスモデルを変えていますよね。最初から戦略があったのでしょうか?

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「それはなかったですね。男性版を作ってみて、資金力は少なくても、こうやって戦えばいいんだという型はできました。
でも、女性版はノウハウがなく、『ねんしょう! for Girls』を無料にしたのは狙ってやったのではなく、当時の市場環境が無料でいくべき、みたいなところがあったからなんです。

シナリオは5~6回書き直しました。

最初はあんなアクのあるキャラではなく、完璧なイケメンが優しくエスコートしてくれるっていうのを書いたんです。でも自分で書いていて、おもしろくない。次に何が起きるかわかるよ、こんなのって。

そこで、女性はどういうキャラクターが好きなのか、嫁さんやまわりの友だち、女性の絵師などに聞いてみました。

わかったのは、女性は男性と違って、主人公のキャラクターに自分を投影しないんですね。

それから、男性は主人公に幼なじみがいて、普通に学校に行く設定でいいのですが、女性はお金持ちや王子様とデートするような設定じゃないと満足しない。リアルな設定を好まないんですよ」

-『ねんしょう! for Girls』でキャラボイスの効果はどのぐらいありましたか。

「費用をかけて有名声優3人をキャスティングしたので、キャラボイスを販売していますが、基本的にはフィットネスアプリという位置付けです。

ユーザーのうち、半分ぐらいが声優ファン、それ以外はダイエットを目的にしている人です。声優ファンを引っ張ってくるという意味では、集客に貢献しています。

純粋なボイスアプリと比べると、声だけを聞きたい人が喜ぶような作りにはなっていません。声優さんを7~8人に増やして、ボイスだけとったものを作ったほうが、声優ファンにはウケます。

ただそれだけでは地上波のテレビで取り上げて頂いたり、ファッションやダイエットの雑誌に掲載されることはないですよね」

┃どこに重点を置くのかを決め、開発時からメンテを意識する

-『ねんしょう! for Girls』は有名声優のキャスティングや、『よう、デブ』というセリフが話題になっていますよね。それが宣伝効果となり、男性が有料アプリの『ねんしょう!』をやり始めて、お金を落としてくれるという感じでしょうか?

「いや、全部並行でやっている感じですね。

初代の『ねんしょう!』はずっと有料ですし、有料で取ったお客さんを無料の『ねんしょう!2+』に流したり。逆に無料の『ねんしょう!2+』から入ったユーザーさんを、『ねんしょう!』に送るとか。

やっていることは全部ブランディングです。

健康アプリといえば『ねんしょう!』、萌えアプリといえば『ねんしょう!』、スマートフォンで運動をするんだったら『ねんしょう!』って。もうこれだけでやっているんです。

アプリ内課金は男性のほうが圧倒的に買います。だからもし、男性版が女性版と同じダウンロード数あったら、利益が違うと思いますよ。

ただ、男性版は話題を集めるのが難しいですね。女性は5万人とかのフォロワーを囲っている人とかがいて、好きな声優さんの新製品があると、みんながリツイートする。

拡散力がハンパないんですよ。

しかも女性ってテレビや雑誌の雛形的パートナーじゃないですか。だから女性に気に入られると、そういう媒体に載りやすい。男のオタク向けに作ったら、2ちゃんねるまとめとかゲーム雑誌のちょっとしたコーナーにしか載らないでしょ。

ここがやっぱり違うところですよね」

-運用に関してはそれほど手をかけていない感じですか?

「一般的なゲームに比べたら、かけていないですね。そういうところにコストをかけても利幅が少ないので。不特定少数の人に大金を出してもらうっていうのが、ビジネスモデルの基本構成ですが、うちのは1回買ったら終わりなんですね。

サブスクリプション(利用期間に応じて料金を支払う方式)にしたところで、課金のチャンスは1回しかない。これだと売れ行きの上限が見えているんですよ。

ソーシャルゲームは上限値がないので、すさまじい利益が出ますが、うちのは1イベントを足しても1個300円とか。

全員が買ってくれればいいんですが、買う人はごく一部。コンテンツを足すだけで毎回、利益が出るかっていったら、そうではない。むしろ、今いるお客さんを減らさない、あくまで喜んで頂くことを考えて、新しいトレーニングを足したり、新作を出すほうにエネルギーを使っています。

小手先の改良よりは、抜本的に違うものが出てきたほうがお客さんは喜びますから」

-健康アプリを開発・運用するために、注意すべきことや継続をさせていくためのポイントは?

「まず最優先でやらなければいけないのは、収益なのか集客なのか、売り上げを上げたいのか、宣伝をしたいのか、それともお客さんをリアル店舗に流したいのかなど、重点をどこに置くかを決めて、それをクリアしましょう。

いまはストアからの売り上げですべてを賄うっていうのは難しい。売り上げにこだわるのであれば、アプリを数多く出したり、広告をたくさん入れるしかありません。

集客にこだわるのであれば、アプリを使う人はどういう人なのかをバターン化して、そのうちのどこを狙うのかを決める。

ひとつのアプリで何でもできますよ、では集客できません。

全部やりたいんだったら、各機能があるアプリを1個ずつ作るのがいいと思いますね」

代表アプリデータ

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アプリ名 筋トレ応援ゲーム ねんしょう!
リリース日 2011年12月16日
ダウンロード数 約10万(2014年8月現在)

ヘルスケア・ゲーミフィケーションアプリの代表的存在。現在はシリーズ展開として「ランニング応援ゲーム ねんしょう!2」、女性ユーザーに向た「シェイプアップ応援ゲーム ねんしょう! for Girls」など。「~for Girls」は40万ダウンロードを誇る!ねんしょう!シリーズのご紹介はこちら

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