【アプリ開発者インタビュー】ルナルナ・シリーズ│株式会社エムティーアイ ルナルナ事業部 事業部長 日根 麻綾氏

インタビュー | 2014年9月9日 火曜日

健康アプリで「成功」といってよい結果を出している企画者・開発者にその秘訣をインタビューするコーナー、第2回目は『ルナルナ』を提供するエムティーアイさんです。
アプリを出し始めたころにも一度インタビューしています(過去のインタビューはこちら)が、その後、どのようにトップランナーを走り続けているのか?お伺いしてきました!

インタビュアー:里見 将史、渡辺 武友│撮影:渡辺 武友
取材日:2014年8月4日

日根麻綾

株式会社エムティーアイ│事業部長 日根 麻綾氏

システムインテグレーターにSEとして新卒入社ののち、2006年にエムティーアイ入社。子会社の広告代理店にてプロモーションやマーケティング、新規事業立ち上げを経験したのち2012年6月にルナルナ事業部の事業部長に着任。
女性のカラダとココロに寄り添う必需品というブランドビジョンを掲げ、そのための勉強や活動はライフワークにもなっている。

┃体調管理と妊活をベースに、横展開で細かいニーズに対応

 

-2011年にヘルスビズウォッチでインタビューをさせて頂きましたが、そのときはまだ携帯サービスのほうがメインで、アプリのリリースを始めたばかりでしたね。その後、アプリの活用に関して、どんな取り組みをしてきたかを教えてください。

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「3年前というと無料アプリ『ルナルナLite』のiOS版を出したばかりだったと思います。2年前にAndroid版を出して、そこから一気にダウンロードとMAU(月当たりのアクティブユーザー数)が上がってきました。

体調管理は有料サイトの『ルナルナ』と、無料アプリの『ルナルナLite』がメインですが、より長く使って頂けるように、ダイエット&美容に特化した『ルナルナ ビューティー』、妊娠から出産までの不安や悩みをサポートする『ルナルナ ファミリー』、30代後半から50代の女性を対象にした『ルナルナ エイジング』という有料サイトも展開しています。特に妊活に関するニーズは高く、現在は『ルナルナ』と『ルナルナ ファミリー』が二本柱になっています」

-もともと無料アプリの『ルナルナLite』でも、そういったニーズに対応して、やっていたのではないでしょうか?

「『ルナルナLite』にも妊娠希望者向けのコンテンツがあったのですが、あまり特化できていませんでした。妊活中、妊娠中、育児に特化して、情報をきちんと出していくサービスが『ルナルナ ファミリー』です。

有料サイトの『ルナルナ』に比べて、『ルナルナLite』は機能が制限されていますが、手軽に体調管理や生理日予測を試せるところが人気です。
ダイエット&美容サイト『ルナルナ ビューティー』も有料ですが、手軽にダイエットできるように開発したのが無料アプリ『カロメモbyルナルナ ビューティー』です。

無料アプリはお客様の入口と考えており、試してもらった上で気づきがある、もっと知りたい、もっとこう取り組みたいと感じたら有料に移りやすいよう誘導しています。

年齢層を見てみると、無料アプリ『ルナルナLite』を使っているのは主に10代から20代前半の学生さんたち。健康になりたいとか、カラダの調子を整えたいという意識ではなく、『次の生理日を確認しておきたい』という、軽い気持ちですね。

でも、アプリを使っているうちに、カラダの不調に気づき、体調管理への関心が高まって、有料サイトに移行という方もいらっしゃいます。

一方、有料サイト『ルナルナ』は20代後半から30代がメイン層。過去にカラダの不調や病気の経験があるなど、現在や将来の体調に不安を抱えている方が多いですね」

 

-一つのアプリにたくさんの機能の盛り込むのではなく、横展開で細分化をしているのでしょうか?

「なるべくシンプルに単機能でと思っています。基礎体温の記録&グラフ化に特化した『ルナルナ体温ノート』というアプリがあるのですが、最初は『ルナルナLite』に基礎体温の機能を組み込むか悩みました。

ただ『ルナルナLite』を使っている人がみんな『ルナルナ体温ノート』を使いたいかというとそうではない。機能が増えるとトップからのタップ数が増えますよね!?

それだとアプリにして使いやすくする意味がないので、基本的にはなるべくシンプルに機能を絞ってと考えています。

シンプルで分かりやすいを貫いていなかいと、新しいお客様が来てくれないと思います」

┃ブランディングを重視し、広告はタイアップメインで行う

-マネタイズで力を入れていることは何でしょうか?

「ちょうど一年前から広告事業に力を入れていて、『ルナルナLite』は有料サービスへの誘導だけでなく単体でも事業を継続できるぐらいには収益が上がっています。ようやく黒字化できてきました。基本的にはタイアップメイン。手間ひまはかかりますが、ブランドイメージを崩さないこと、お客様の体験価値を下げないことを重要視しています。

出稿期間は最低でも3か月からで、長いところでは2年間の契約も。ルナルナのコンテンツとして見えるようなもの、お客様にとって価値があるものとして作成しています。

例えば、ユニ・チャーム様の生理用品ブランド『ソフィ』とタイアップをしています。『ルナルナLite』のトップ内に『しなやかリズム』指数を表示し、ソフィのタイアップコンテンツに誘導する仕組みになっています」

-運用はどのぐらいの人数でやっていますか?

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「企画は女性15名が担当しています。企画を上げた人は『こういう市場動向があって、仮説がこうなので、こういう企画を作りたい』と、企画を立てて、リリース後の検証まで行う必要があります。

例えば入会数は専属の担当を付けて、仮説検証を繰り返すようにしています。こうしたことをエンジニアやデザイナにもフィードバックしています。

お客様の反応をフィードバックすることで、また次の企画や施策のモチベーションにつながると思うからです。

男性にもルナルナを担当したいという希望があればメンバーに入ってもらいたいですが、どうしても女性スタッフが多くなってしまいますね。
ただ、妊活などお客様のパートナーである男性の存在も重要なサービスについては、男性経営陣や上司から、男性的な視点や意見をアドバイスしてもらっています」

-運用で気にしているのはどんなところですか?

「アクティブユーザですね。広告事業が大きくなってきてからはPVも見ています。アプリだけではありませんが認知やイメージ、どの年代に対して占有率がどうなっているのか、このあたりはマクロで見ています。

アプリマーケットでは、ほとんどの方が『ルナルナ』を名指しで検索しています。ランキングの順位が落ちたとしても、ダウンロードがなくなるかといったら実はそうでもないのです。

以前はテレビCMをしていましたが、認知が上がったので現在は行っていません。ただ、各年代の認知調査はずっと取り続けていて、不思議なことに下がりません。「生理日管理のルナルナ」というブランディングができている結果だと思います。」

┃アンケートでユーザーの要望を拾い上げつつ、次の展開を模索

-ユーザーの動向を見て、次の手を打つのはどのくらいの頻度ですか?

「レビューの書き込みや、反応が大きい場合に、その都度対応しますが、基本的には年間の計画を立てて、半期ごとに修正をかけていくのが会社全体のやり方です。

経営陣に説明をするために2~3か月に一回程度、各サービスのチームで見直しを行っています。

ただ、施策に対してのフィードバックはリリースタイミングごとに行っています。リリース後、早ければ1週間でいろいろと結果が見えてくるので、まずは速報という形で検証します。

クチコミは見ていますが、あまり主軸にはしていません。ネガティブなものほど書きたくなると思うので、そこに引きずられてしまうと、目には見えない大多数のポジティブ派を裏切る結果になることもあると思っています。迷ったときは、お客様にアンケートや投票を取るようにしています。

インセンティブを付けたことはないのですが、有料サイトで毎月アンケートを行っていて、月に数千件の回答があります。
有料サイトだから、お客様の意識が高いのかと思っていたのですが、最近『ルナルナLite』で行ったところ、1週間で2万7000件も集まりました。
自由回答を書く方も多く、自分のカラダに対する意識が高い人が多いと実感しています」

-ウェアラブルデバイスや他社との連携など、どのように考えていますか?

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「女性は記録をつけたり、データの分析をしたりするのをあまり好まない傾向があるようです。『カラダフィット』という活動量計を作ったとき、社員みんなで付けてみたのですが、継続して楽しんでいるのは男性が多かったです。

グラフ化も男性の方が興味を持ちますよね。女性が記録をつけるのは、基礎体温などでしょうか。そういう意味でも女性のヘルスケア、しかもウェアラブルはハードルが高いと思っています。

ただ、今後はスマホだけでさまざまなことができるようになってくるので、女性もITで健康管理をすることの抵抗感はかなり下がると思っています。

機能連携に関しては、お客様サービスの利便性が上がり、手入力だと取れなかったデータが得られて、新しい価値が返せるのであれば、賛同して頂けるメーカーと組んで行っています。

データ支援については、2014年5月にリリースした、『ルナルナ』の生理予測システムを自社サービスで一般のお客様に提供できるAPIサービス『ルナルナLINK』を、富士通様の『からだライフ』というヘルスケアサービスに提供しています。

女性ヘルスケアのビッグデータは日本でいちばん持っている存在であり続けたいと思っています。これからも、もっと広く深く集めて社会に価値として還元していきたいですね。データを活かした企画は他社の力も借りながらと考えています」

代表アプリデータ

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アプリ名(iOS名) ルナルナLite:生理日予測や排卵日予測ができるルナルナの無料アプリ!
リリース日 2010年4月29日
利用者数 約600万人(2014年8月現在)

国内で最も認知率の高い生理日予測サービス『ルナルナ』、ケータイサービスに続き、アプリでもその人気は衰えることなく、500万ダウンロードを突破した。ルナルナ・シリーズのご紹介はこちら

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