【アプリ開発者インタビュー】カロリー管理│有限会社ラディック 代表取締役 佐藤 宏亮氏

インタビュー | 2014年9月30日 火曜日

健康アプリで「成功」といってよい結果を出すために、どのように開発、運営しているのか、その秘訣をインタビューするコーナー、第4回目は『カロリー管理』を提供するラディックさんです。
ヘルスケア有料ランキングで常に上位をキープしている秘訣をお伺いしました!

インタビュアー:里見 将史、渡辺 武友│撮影:渡辺 武友
取材日:2014年8月5日

佐藤 宏亮

有限会社ラディック│代表取締役 佐藤 宏亮氏

ファミコン登場前、TVゲーム創世記にゲームメーカーのタイトーに入社。
以降、電通テック、一昨年までNHN Japan株式会社(現:LINE株式会社)に在籍。
ゲームからITと活躍の場を広め、その傍らプロカメラマンとしてパーティーフォトグラファーの主宰も務める。

 ┃地道な調査でカロリーデータを収集し、更新性ある仕掛け作りを

 

-『カロリー管理』の開発経緯について教えてください。

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「2008年5月に、ある会社と一緒にニンテンドーDSソフト『特定!メタボ塾』をリリースしました。僕自身も40を過ぎて、健康が気になる年齢だったこと、翌年から特定健診・特定保健指導が始まるという時期だったこともあり、カロリー管理をサポートするソフトを作りました。しかし、価格が4,000円以上で、データの更新ができないということもあって、残念ながら思ったような数字が取れませんでした。個人的にはカロリーにすごくこだわっていたので、iPhoneが発売されてアプリという更新可能な環境は最適だと考え、2010年7月に有料アプリ『カロリー管理』をリリースしました。

僕はもともとゲームメーカーのタイトーにいて、そのあとハンゲームで仕事をしていました。弊社は1999年の設立からいろいろなことをやっていたのですが、DSソフトの開発が一段落して、社内でもスマホのスの字も出てこないときに、日本最大のiPhoneアプリ開発スクール『RainbowApps』に第一期生として通い始めました。そのときに出会ったのが、いま一緒にやっているメンバーです」

 

-食べ物などのカロリーデータは、ご自身が持っていたのですか?

「カロリーデータの収集は長く付き合いのある開発会社が協力してくれました。国が出しているデータのほか、個人的に集めたデータもあります。例えば、マクドナルドではホームページにカロリーデータが記載されているので、そこから取得し、ホームページに記載のない店舗、例えばサイゼリヤなどは、実際に店舗へ行き、メニューを見ながら情報を集めました。

調べてみるとすごくおもしろいのですが、食材の調達先が違うせいなのか、同じチェーンでも地域や店舗によってカロリーが違ったりします。コンビニはカロリーデータを追うのが大変ですね。よくユーザーから『コンビニ弁当のカロリーデータが欲しい』という要望があるのですが、『ラベルに書いてありますよ』っていっています(笑)」

 

-リリース当時、同じような仕組みの他社アプリはありましたか?

Creative-Freaks02

「今ほどの数じゃないですが、カロリー系のダイエットアプリは2つ、3つありました。他社アプリとの差別化をするために、データ更新を頻繁に行うようにしました。ファストフード店は週1回パトロールして、データを更新するようにしています。あとはユーザインタフェースの使いやすさを吟味してきたので、現在、他社から出ているアプリのベースになっていると自負しています。

一時期、App Storeのレートが変わり、必然的に値上げになってしまったことがあります。450円まで行って、今は下げたのですが、いまも300円の有料でやっているのは、自分でもすごいなって思います。今アプリをリリースしても、無料以外選択肢がないですよね。機能うんぬんではなく、長いことランキングの上位にいることや、レビューが重なっていることなどが成功要因だと思います」

┃ユーザーの要望に丁寧に応え、信頼関係を築く

-ヘルスケアの有料カテゴリでは、ほぼ10位以内にいますよね!?これだけ世の中が無料アプリに傾いている中で、ダウンロードの推移は変わってきていますか?

「ランキング的には変わっていませんが、ダウンロード数は変わっています。去年の春、夏ぐらいがピークですね。やはり有料アプリを買うというトレンドが、だいぶ落ちているのは肌で感じます。売り切りでそこそこ売り上げを上げていたのですが、それが難しくなってきました。

今後いつか、無料にするタイミングがあるとは思うのですが、広告の収益だけで数十万というのは難しいので、見極めが大事になると思っています」

-コンテンツや機能などのアップデートはどのぐらいの間隔でやっているのですか?

「外食店(チェーン店)情報を増やしたり、カロリーデータの更新は頻繁にやっています。データはサーバーに置いてあり、更新のときに取りに行って、アプリ内のデータベースをアップデートしています。それと、ユーザーからいろいろと細かい部分の要望が来るので、それを集約して2~3か月に1回程度、機能のアップデートをしてきました。

ユーザーの声に応えるのって、一般企業ではなかなかできないことだと思います。収益も数字的には大きくないし、そこに張り付いてずっとアプリを可愛がるのは難しいことです。弊社はサポートを密にやっています。メールで問い合わせが来ると、使い方などをかなり丁寧に対応しているので、そういった部分でユーザーとの信頼関係を築くことができるし、レビューにも繋がっています。

一時期、ステルスマーケティングをやられて、レビューで星1つを重ねられたことがあります。ランキングは総合で200位以下になりました。そのときに入れたのが、みなさんも当たり前にやっているレビューへのサイン。カロリーデータを更新した後に『レビューで応援してください』ってポップアップで出してみたところ、レビューが3ケタ4ケタ増えて、それでまたランキングが上がりました。レビューの内容は『これで痩せた』という結果が一番ですね。このアプリを使えば、絶対に痩せると自負しています!」

-朝昼晩、食事記録を入力するのって、結構大変ですよね!?カロリーを管理して痩せたという、ご自分の経験もあるのでしょうか?

「スポーツジムのインストラクターと知り合いになって、いろいろ話をしたのですが『運動だけしても痩せないよ。体重を落とすなら食べ物だよ』といわれました。僕もそう思い、実際に食事のカロリーコントロールで痩せることができました。まずは気づきが大切。『これは何キロカロリーだな』というのを知った上で食べることが重要です。

痩せたいと思う人はぜひ、『カロリー管理』を3か月使ってみてください。以前の記録と同じものを食べていた場合、履歴から簡単に記録できる機能もあります。また、『記録をつけましたか?』というポップアップを出す機能があるので、続けやすいと思いますよ。慣れてくると『朝が250kcalで、昼が500kcalだから、夜は300kcalか400でkcalに抑えよう』と分かるようになります」

┃表面上はシンプルに、機能は捨てずに奥深くに詰め込む

-ユーザーは男女どちらの割合が多いのですか?

「きちんと調査したわけではないのですが、問い合わせメールやレビューを見ているとユーザーの大半が男性です。ダイエット=女性というイメージが強いのですが、長期的なカロリーコントロールを毎日記録するような緻密な作業って、女性は苦手みたいですね。

コンテンツを男性向けに意識しているわけではありません。『カロリー管理』は外食チェーンのカロリーデータがメインなので、最初の頃は女性ユーザーから『外食チェーンのデータが多すぎる。自宅のメニューを増やして欲しい』という指摘がありました。結局は男性ユーザーが圧倒的に多く、男性は『店舗数を増やしてほしい』という要望が来ます。狙いとしては男性に合っていたと思っています」

-機能を追加していくと、ボリュームのあるアプリになりますが、最近はよりシンプルにという傾向も見受けられますよね!?

「使いたい人には喜ばれるが、感覚的には要らないのではないかという要望が来ます。でも、アプリをすごく利用している人は機能が増えることをとても喜ぶようです。ですので、表面にいきなりボタンを増やすのではなく、深いところに置いて『使いたい人はどうぞ』という感じにしています。

アプリはタップの回数をどれだけ減らせるかが重要です。それから、アイコンの画像。リリース当時は『色気のある』ものがすごくウケていました。ずっと変更していないのですが、ユーザーから『あのアイコンがiPhoneに入っていると恥ずかしい。変えてくれ』という要望もきます(笑)。僕は変えない方がよいと思っています。『これこそアイコンだ。もうブランディングできている!』と思っているからです」

-いまは有料アプリ『カロリー管理』をベースに、他にも色々展開をされていますよね?

「アプリはいろいろ出していますが、無料アプリ『痩せるカロリー大辞典』というのが、広告ベースになります。あとは他社から、同じようなダイエットアプリを作ってくれないかという依頼もあります。

『カロリー管理』はiOS版とAndroid版がありますが、うちはiOS専門でやっていて、Android版はDSソフト『特定!メタボ塾』を一緒に作った会社にOEM的に提供しています。しかし、Android版は有料ソフトが厳しいですね。iOS以上にAndroidユーザーがアプリを有料で買ういう文化が根ざしていないのだと感じました」

-企業が出すアプリは、リリース時はともかく、その後ランキングを上がってこないですよね!?何が原因なのでしょうか?

「企業ではできないような、突拍子もない、ばかばかしいものを作れるのが個人の力だと思っています。個人は企画会議などしないで作っちゃうじゃないですか!?そこを狙いたいなと思っています。やはり企業が作ろうとすると、PowerPointで企画を提出して、ああじゃない、こうじゃないといわれて、カドが落とされてしまいます。いろいろな意見があるから無難なものになってしまい、おもしろくない印象を与えてしまうのではないでしょうか」

代表アプリデータ

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アプリ名(iOS名) カロリー管理(痩せるアプリ)
リリース日 2010年7月26日
ダウンロード数 約50万DL(2014年9月現在)

食事記録のデータは外食メニューが豊富なため、サラリーマンなど外食が多い人でも手軽にダイエットに取り組めるカロリー管理(痩せるアプリ)紹介はこちら

カロリー管理(痩せるアプリ)
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